『ラグナクリムゾン』超絶過ぎるバトルの熱量&出し惜しみなしの物語を迫力の筆致で描く熱量全開のダークファンタジー

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ラグナクリムゾン
『ラグナクリムゾン』(小林大樹/スクウェア・エニックス)
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ダークファンタジーの可能性をどこまでも突き破る!

何ともいえない妖艶さを秘めた響きに、たまらなく引かれてしまうジャンルのひとつ、ダークファンタジー。世界観のシビアさや不条理さ、登場人物たちが過酷な運命に立ち向かう様子、そこに魔法が絡むケースなど、ダークファンタジーの魅力は実に多岐にわたる。

ダークファンタジーのマンガ作品といえば、『BASTARD‼-暗黒の破壊神-』シリーズ(萩原一至/集英社)や『ベルセルク』(三浦建太郎/白泉社)、『HELLSING』(少年画報社/平野耕太)など多くの傑作・名作を思い浮かる人も多いだろう。そうした中、今年アニメ化されることで注目度が高まっているのが『ラグナクリムゾン』だ。

ダークファンタジーファンや超絶バトルものが好きな人なら、もうすでに読んでいる人も多いかもしれないが、『ラグナクリムゾン』は熱量&ダイナミックさがかなり群を抜いているといえる。

著:小林大樹
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目を見張る画力がキャラクター&世界観を牽引

本作の舞台は、人類の敵として竜が存在する世界。「狩竜人(かりゅうど)」として竜狩りを生業とする少年・ラグナは、他を圧倒するほどの竜討伐数を誇る天才少女・レオニカ(レオ)と、竜討伐に挑む日々を送っていた。ラグナは「レオのそばにずっといたい」と願うも、最凶最悪の竜の強襲で想いは砕かれてしまう。

そしてラグナは、最悪で悲惨な未来の回避を目指し、未来の自分から最強の力を受け継ぎ戦いに身を投じていく……。本作の幕開けのあらすじを説明してはみたが、衝撃と熱さを体感するため、第1話をまずは読んでみてほしい。

圧倒的な凄み、懐の深さと奥行きをどこまで感じさせてくれるファンタジー感を、しょっぱなから大いに味わえるはずだ。ある意味ではダークファンタジーらしいとも言える設定と思うかもしれないが、筆致の迫力と大胆さ、勢いが一気に物語の中へと引き込んでくれる。世の中に漫画作品は数多く存在しているが、この感覚はなかなか味わうことができないものだ。

読みたい方向性も遙か上をいく完成度が圧巻

本作は重厚な世界観がありつつ、テンポ感あるストーリー展開で読む手を止めさせない。先ほども触れたように画力も素晴らしく、本作に少しでも触れてしまえば先が気になってしまうだろう。

ダークファンタジーはともすればヘビーな展開に寄ってしまいがちな部分はあるものの、もはや神がかったとも評すべき強さを持ちつつ、根は“ポンコツ”な一面もあるラグナのキャラクターが効果的。シリアスさの中にポップさも漂わせる作風がいい。

何よりバトルシーンの激しさは圧巻。ひしひしと苛烈さが伝わるアクションは、爽快さとカッコよさが抜群。どこか狂気も感じさせる雰囲気もあり、人間と竜の生死を懸けた戦いの真剣さが否応なく描かれている。自身も味方も敵すらも強い。そんな超絶過ぎるバトルの行く末は読めず、肉弾戦のみならず頭脳戦も展開。硬軟織り交ぜた駆け引きは胸アツだ。

読者のニーズを察知し取り入れつつ、想像をはるかに凌駕する展開で魅せてくれる。仕掛けやサプライズを出し惜しみしないスタイルは、どこまでも飽きさせない。まだまだ語り尽くせないが、いずれまた別の機会にでも。今年アニメ化を控えた今、現時点で発売済みの11巻まで一気読みをおすすめしたい。

著:小林大樹
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この記事を書いた人

映画やドラマ、アニメにマンガ、ゲーム、音楽などエンタメを中心に活動するフリーライター。インタビューやイベント取材、コラム、レビューの執筆、スチール撮影、企業案件もこなす。案件依頼は随時、募集中。

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