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心の中で「なまらうみゃ~」と叫びながら、ビール片手に「馴染みの味」に舌鼓  『ひとりで飲めるもん!』

ひとりで飲めるもん!
『ひとりで飲めるもん!』 (コナリミサト/芳文社)

『凪のお暇』や『珈琲いかがでしょう』の実写ドラマ化でも人気の漫画家コナリミサトの『ひとりで飲めるもん!』は、化粧品会社で働く敏腕&美人広報ウーマン・紅河明(ベニカワメイ)の唯一の趣味とも言える「チェーン店でのひとり飲み」にフォーカスした、お仕事系グルメ漫画だ。北海道生まれの父と名古屋生まれの母を持ち「なまらうみゃ~」が口癖のメイの見事な食べっぷりと、バリキャリOLとしてのクールな仕事ぶりとのギャップが楽しめる。WOWOWでは大政絢主演で実在のチェーン店とコラボした実写ドラマ化され注目を集めるなか、コロナ禍で飲食店が苦境に陥るいまだからこそ(アルコールが解禁される日が待ち遠しい……!)「ちょい飲み」の良さが堪能できる漫画として、本書の魅力を紹介したい。

誰もが憧れる敏腕OLの「裏の顔」は親しみやすい「庶民派」!

『ひとりで飲めるもん!』の主人公・紅河メイは、容姿端麗で28歳の若さにして異例のスピード出世を遂げ、「自社が手掛ける化粧品ブランドを業界シェアNo.1まで引き上げた」と噂される、まさに文字通りの才色兼備の敏腕OL。だがその私生活は謎に満ちており、彼女の「真の姿」を知る者はほぼ誰もいない。

夜景のキレイな高級フレンチでシャンパンを片手に優雅に会食していると見せかけながら、実は彼女、仕事帰りにリーズナブルにさくっと飲める「チェーン店めし」が大のお気に入りで、「天丼」「餃子」「カレー」に「ラーメン」と、その日の気分でさまざまなジャンルのチェーン店に足を運んでは、美味しさのあまり童心にかえって「なまらうみゃ~!」と声をあげながら「ひとりめし」を堪能するという「裏の顔」があるのだ。

スタイル抜群であるがゆえに何かとやっかみも多いため、その実態を社内の人に知られても意外すぎる「オンとオフ」のギャップに魅了される人が続出しそうだが、そこはあくまで「ツンデレ」を貫き通すのが彼女の流儀。店で隣り合わせた見ず知らずの客には、思わず二度見されるほどの見事な飲みっぷり&食べっぷりだが、こうして誰にも邪魔されない至福のひとときを過ごせるからこそ、日々の激務もなんとか乗り越えられるというわけだ。

ドラマでは「天丼てんや」や「吉野家」など8つの飲食店と全面コラボも実現!

漫画のなかには実在の店名は出てこないのだが、WOWOWのドラマには「天丼てんや」「餃子の王将」「吉野家」「はなまるうどん」「かつや」「フォルクス」「カレーハウスCoCo壱番屋」「スシロー」と毎回有名店が登場する。全国各地に点在するこれら8つの飲食店の全店舗を合わせるとなんと5,800店舗を越えるというが、これだけ大規模なプロモーションが実現したのも、ひとえに“ちょい飲み広報ウーマン”としてのメイの手腕であるとも言えそうだ。

この漫画の面白いところは、メイがいわゆるオーソドックスなメニューとはひと味違った「知る人ぞ知るメニュー」もオーダーし、料理に合わせてビールやワイン、日本酒など、お酒もしっかりチョイスしたりしながら、毎回ほぼ1,000円以下で心からの充足感を実現しているところにあるように思えてならない。「高くて美味しい」のは当たり前だが、お財布的になかなか手に届かない「庶民」の実情に合わせて、「いつでもどこでも変わらぬ味」が「早く&安く楽しめるチェーン店」の良さに光を当てたことこそが、この作品がこれだけ多くの人々の支持を得た証しに違いない。コロナ禍で「黙食」が推奨されるいま、心の中で「なまらうみゃ~」と叫びながら、ビール片手に「馴染みの味」に舌鼓を打つ日が待ち遠しくなる一冊だ。

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