『SAND LAND』—『ドラゴンボール』鳥山明の名作短編!“じじい”や“メカ”が魅力のワクワクあふれる冒険ファンタジー

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SAND LAND
『SAND LAND』(鳥山明/集英社)
目次

幻の泉をみつけだせ! 保安官のじじい&悪魔の王子一行が砂漠世界の旅へ

「あ~あ……なんでこんな世界になっちゃったかな~……」。人類の愚行と天変地異により砂漠が地上の全てとなった世界で、ついに命綱だった川の流れも止まった。悪魔の王子ベルゼブブら魔物たちも水不足にあえぐある日、彼らのもとに人間の初老保安官ラオが現れる。「『幻の泉』を探し出す旅を手伝ってほしい」。かくして、贈られたゲーム機に釣られたベルゼブブはお目付け役シーフをお供に、灼熱の荒野へと旅立つラオの車に乗り込んだ。

著:鳥山明
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鳥山明には“短編の名手”の顔も……アニメ映画化を控える「じいさんと戦車の漫画」

鳥山明といえば、『Dr.スランプ』と『ドラゴンボール』(集英社)の2大ヒットマンガ、そして長きにわたりキャラクターデザインを務めるゲーム『ドラゴンクエスト』(スクウェア・エニックス)シリーズの印象が強い。だがその一方で、短編マンガの名手としても、数多くの作品を生み出していることはご存知だろうか。中でも『ドラゴンボール』後の短期集中連載作のひとつであり、その完成度から特に高い人気を誇るのが、23年8月にアニメ映画が公開予定の『SAND LAND』だ。

「個人的に描いてて楽しい(はずだった)、じいさんと戦車の漫画でいこうと……」という単行本カバー袖の本人コメントもあるが、まず一見で目を引くのはメイン3人組に2人もいる個性豊かな“じじい”キャラ、そして丸っこい戦車を筆頭とするメカ類の秀逸なデザインだろう。男臭くなりがちな事物すら「愛らしい」のは鳥山のデザインならでは。ベルゼブブらモンスターに引けを取らず、筋肉隆々、極端な体型の男たちもどこか可愛らしい。

干からびるのを待つのみという人類と魔物が手を組み、存在するはずの水源に一縷の望みをかけて旅立つ、という物語の本筋はどちらかといえばシリアス寄り。だが、そんなキャラデザも相まって、道中に起こる危機の数々にはどこかコミカルさも漂うのが本作の親しみやすさだ。絶対的な悪役として登場するキャラすら、単なる舞台装置で終わらない印象を残す。物語にケリをつける、最終盤の見開きページは見事の一言。爽快な気分になれるはずだ。

『ドラゴンボール』初期のような“冒険のワクワク”――冒険ファンタジーの名作

“なろう系”の隆盛なども相まって、異世界を舞台にした冒険ファンタジーマンガをますます見かけるようになった昨今だが、その中において「さすが鳥山明」と思わされるワクワク感があふれる本作。冒険に軸があった『ドラゴンボール』初期の雰囲気が好きなら、まず気に入るはずだ。代表作があまりに大きすぎるため、いささか埋もれている感もあるが、単行本は1巻で完結するため読みやすい。アニメ映画化のこの機に注目したい名作短編だ。

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映画『SAND LAND(サンドランド)』60秒予告

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この記事を書いた人

アニメやマンガが得意な(つもりの)フリーライター。
大阪日本橋(ポンバシ)ネタやオカルトネタ等も守備範囲。
好きなマンガジャンルはサスペンス、人間ドラマ、歴史・戦争モノなどなど。
新作やメディアミックスの話題作を中心に追いかけてます。

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