『まいまいまいごえん』心の成長には傷みが伴う……「デスゲーム」を思わせるサンリオの新境地

当ページのリンクには広告が含まれています
『まいまいまいごえん』(原作・監修:サンリオ、漫画:鍋谷やかん/KADOKAWA)
目次

迷い込んだ“ファンシー×ホラー”のテーマパーク……保育士と園児たちの運命やいかに

「……おかえり。待っていたよ」。新米保育士の岡田ユウと先輩保育士のルミ先生、そして16人の園児たちは、保育園の遠足でサンリオピューロランドを訪れていた。しかしその帰り際、最後にと入ったアトラクションから、彼らはファンシーとホラーが入り混じるテーマパーク「ゆぅろぴあ」へ迷い込み、閉じ込められてしまう。不気味なマスコット・カエルタマゴがユウたちに告げた脱出の条件は「アトラクションに挑戦し、メダルを10枚集める」こと。はたしてユウたちは、無事に「ゆぅろぴあ」から脱出することができるのか。

著:鍋谷 やかん, その他:株式会社サンリオ
¥634 (2024/05/23 13:52時点 | Amazon調べ)

「仕事を選ばない」サンリオの新たな挑戦は“初のイノセントサスペンス”

看板キャラクターのハローキティいわく、「『仕事を選ばない』なんて言われることもあるけど『やりたいことは全部やる!』がポリシー」。そのキティを筆頭に、ここ最近は「まさか」の意欲的なコラボレーションでネットを賑わせているのがサンリオだ。

そんなサンリオだが、近年は自社発のキャラクターにも意欲的な顔ぶれが並んでいるのをご存知の方も多いのではないだろうか。初のゲーム・アニメファン向けキャラクタープロジェクト『SHOW BY ROCK!!』、OL生活のストレスを、デスメタルを歌うことで晴らすTVアニメ『アグレッシブ烈子』、「サンリオキャラクターが好きな男子高校生」を描くメディアミックス・プロジェクト『サンリオ男子』、初の“研究生”美少女バーチャルタレント『となりの研究生マシマヒメコ。』などなど……。

「サンリオキャラクター大賞」の上位常連であるシナモロールやポムポムプリンとは毛色の異なる“攻めた”キャラクターたちが、さまざまなフィールドで人気を博しているのだ。

Webコミックサイト「ヤングエースUP」でコミカライズが連載中の『まいまいまいごえん』も、そんな“意欲的なサンリオ”のひとつに数えられるだろう。「デスゲームもの」を思わせる衝撃展開が待つ、“サンリオ初のイノセントサスペンス”を謳う物語が描かれるのだ。

「どこまでが自分の本音で、どこまでが支持を得るための発言なのか」――“人”=“真相”はいずこに

見た目にも個性的な愛らしい園児たちが、サンリオピューロランド園内をちょこまかと走り回る描写で始まる本作。いかにもサンリオらしい「かわいい」の包みで油断させつつ、物語の本筋は冒頭から衝撃的だ。(ここまでは面白さを損なうネタバレにはならないと判断し書いてしまうが)「ゆぅろぴあ」ではいきなり、「デスゲームもの」さながらの登場人物の“退場”が発生する。かわいいのに、しっかり怖いサスペンスなのが見どころなのだ。

こうして、真剣な面持ちでユウたちが挑むことになるアトラクションは、いずれも自分自身の心の弱さや醜さと向き合うことになるもの。むき出しの“自分”とまっすぐに目を合わせる園児たちの姿が、目を背け続けている「自分ごと」として胸に突き刺さる読者も少なくないだろう。本作が「“あなた”に贈る『心の成長痛』の物語」を掲げるゆえんがある。胸をチクリと刺す痛みを伴う、「怖かわいい」サンリオの新境地。続刊が待ち遠しい一作だ。

著:鍋谷 やかん, その他:株式会社サンリオ
¥634 (2024/05/23 13:52時点 | Amazon調べ)

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

アニメやマンガが得意な(つもりの)フリーライター。
大阪日本橋(ポンバシ)ネタやオカルトネタ等も守備範囲。
好きなマンガジャンルはサスペンス、人間ドラマ、歴史・戦争モノなどなど。
新作やメディアミックスの話題作を中心に追いかけてます。

目次